世界裁判放浪記
原口侑子(著)
頁数:344頁
予価:2200円+税
ISBN:978-4-910108-07-0 C0095
装丁:宗利淳一
2022年3月下旬発売予定
「古今東西、人のいるところどこにでも『裁判』はある。
傍聴席から見たそれぞれの国は人間臭く、その細部(ディテール)を辿っていけば、世界はいまだに広い。
『当たり前のことは当たり前』でなくなるのが、旅。
その道をまっすぐに進む原口さんは、ひたすらすがすがしい」
辻山良雄さん(書店「Title」店主)推薦!
とある法律事務所に勤めていた弁護士は、あるとき世界各国放浪の旅にでる。目的の1つは裁判傍聴。訪れる先々で法廷へおもむき、傍聴したその国は30カ国。
各地で出会う魅力的な人々や文化、そして緊張感ただよう法廷内外の様子、はたまた裁く者や裁かれる者たちの人間模様などなどを、ときに弁護士、ときには旅人の視点でみずみずしく描く。
番外編として東京地方裁判所の裁判員裁判「覚せい剤密輸事件」をおった迫真のルポも収録。
【目次】
第1部 ユーラシア(その一)
1 ユーラシアの交差点でーートルコ共和国[イスタンブール]
2 時間の降り積もった旧司法宮ーーフランス共和国[パリ]
3 裁判所の一歩手前ーーバングラデシュ人民共和国(その一)[ダッカ]
番外編 2009年、東京地方裁判所ーー日本(その一)[東京]
第2部 アフリカ(その一)
4 裁判所を歩き始めるーーエチオピア連邦民主共和国[アディスアベバ]
5 遠い場所、最高裁という場所ーーケニア共和国[ナイロビ]
6 近い場所、青空裁判ーーマラウイ共和国[リロングウェ]
7 裁判メモは時を越えるのかーータンザニア連合共和国[タンガニーカ/ザンジバル]
第3部 アフリカ(その二)
8 歴史と秩序/何がどこまで虚構なのかーールワンダ共和国[キガリ/ブタレ]/ブルンジ共和国[ブジュンブラ]
9 スワジ人の「作法」ーーエスワティニ王国(旧スワジランド王国)[マンジニ]
10 死の谷に住まう、アフリカ人裁判官とスプリングボックスーーナミビア共和国/カラハリ砂漠の国々[ウィントフック/ヨハネスブルク]
番外編 2020年、東京地方裁判所ーー日本(その二)[東京]
第4部 ユーラシア(その二)
11 裁判所からの帰り道ーーバングラデシュ人民共和国(その二)[ダッカ]
12 法廷に透明な箱ーーイタリア共和国[トリノ]
第5部 北太平洋と南米
13 太平洋のへそに法廷通訳ーーアメリカ合衆国[ハワイ州]
14 「正義の女神」と裁判中継ーーブラジル連邦共和国[ブラジリア]
番外編 裁判員裁判、覚せい剤密輸事件ーー日本(その三)[東京]
第6部 ユーラシア(その三)
15 光射すコートハウスーーブルガリア共和国[ソフィア]
16 初夏のロシア人にあてられてーーロシア連邦[サンクトペテルブルク]
17 四川の流儀ーー中華人民共和国[成都]
18 川の国の判決を読んでーーバングラデシュ人民共和国(その三)[ダッカ]
第7部 南太平洋
19 裁判所から泳ぎ出るーーサモア独立国[アピーア]
20 島内の流儀、世界の流儀ーーフィジー共和国[ヤサワ諸島/ラウトカ]
21 権利の所在と神話ーーニュージーランド[クライストチャーチ]
22 世界の交差点に住まう非トンガ人裁判官とクジラーートンガ王国[トンガタプ/ハアパイ]
番外編 「正解」と判決ーー日本(その四)[東京]
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